企業分析の手法と考え方はこちらで確認してください http://business-analysis.hateblo.jp/entry/2013/08/17/155305 |
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企業名 | ブルドックソース(2804) | ||
総評 | 縮小傾向にある市場の中で一定の実績を維持し、財務状況も優秀ではあるが、将来に対する投資や新たな事業領域への進出がほとんど見られないため中長期的には苦戦を強いられるものと予想される。 | ||
将来予測 | 汎用性の高い商品や健康志向に対応した商品等、需要が減少するソース類市場の中でも需要喚起に努めていることは評価に値するが、一方で設備投資や研究開発費など未来投資に関するコストが低すぎることが懸念され、新たな事業への取組みへの意欲が低いと推察される。 今後も調味料市場は多様化し続け、消費者の指向も分散することが予想されるため需要が減退する市場に集中した事業活動では大きな成長は難しいと予測される。 |
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事業・業績の概況 | 需要が減退する中、汎用性の高い「うまソース」や健康志向に対応する減塩商品等を展開するなどメニュー展開が限定されるソース類市場の中で積極的に需要喚起に努めているものの近年は一進一退の状況が続いており、実績拡大にまでは繋がっているとは言い難い。 | ||
事業環境 ポジショニング |
売上高のうち大半を占める国内ソース類事業において同社は市場シェアトップと目されている。競合としてはオタフクソースやカゴメが存在しており、地域性が強い市場ながらも同社は2〜3割程度のシェアを有しているものと考えられる。 その国内ソース類市場の近年の動向は、多様化するドレッシング等の他の調味料との競合やソース類の主用途である揚げ物が健康志向の高まりによって避けられつつあること、またソース類を使用するメニューが揚げ物と粉ものにほぼ限定されていることから汎用性が低いなどの要因によって市場は縮小傾向にある。 |
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主な株関連指標(2013/8/4時点) | |||
株価 | 年足最高値 | 年足最安値 | 時価総額 |
176円 | 204円 | 163円 | 12,280百万円 |
一株配当(実) | 配当利回(実) | PBR | PER |
3.5円 | 1.99% | 0.78 | 27.5 |
業績推移(単位:百万円) | |||
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 |
2009年3月期 | 16,897 | 683 | 717 |
2010年3月期 | 16,889 | 1,138 | 1,187 |
2011年3月期 | 16,573 | 987 | 1,087 |
2012年3月期 | 16,704 | 945 | 1,098 |
2013年3月期 | 16,314 | 726 | 835 |
2014年3月期(予) | 16,500 | 750 | 850 |
各種指標 | |||
安定性 | 流動比率 | 251.9% | 短期的な安全性は高い |
自己資本比率 | 74.6% | ||
収益性 | 営業利益率 | 4.5% | 元々さほど高くない上に売上原価、販管費の上昇により収益性は悪化している。 |
資産回転率 | 79.3% | ||
ROA(営業利益ベース) | 3.5% | ||
成長性 | 売上高成長率(予) | 101.1% | 「うまソース」など好調な商品もあるため短期的な目標達成は可能かもしれないが長期的視点の投資は少ない |
営業利益率成長率(予) | 103.3% | ||
設備投資状況 | 61.4% | ||
売上高研究開発費比率 | 1.0% | ||
昨期との比較 | 売上高対前年比 | 97.7% | 原料価格等のコスト上昇による売上原価率の上昇に加えて、110周年記念として様々な販促投下や「うまソース」のTVCM等かなどによって販管費が上昇しているものと予想される。しかし売上高が予想通り増えなかったことから営業利益の減少に繋がっている。 |
営業利益対前年比 | 76.8% | ||
営業利益率(今) | 4.5% | ||
営業利益率(昨) | 5.7% | ||
売上高売上原価率(今) | 48.3% | ||
売上高売上原価率(昨) | 48.1% | ||
売上高販管比率(今) | 47.3% | ||
売上高販管比率(昨) | 46.2% | ||
経常利益営業外損益率(今) | 5.3% | ||
経常利益営業外損益率(昨) | 2.6% | ||
主な各指標の解説 1.株関連指標 分析には特に使用しませんが分析時点での指標を記載してあります。 2.各種指標 ①流動比率(=流動資産÷流動負債×100) 120%以上であれば短期的には安全な企業であると判断しています。 ②自己資本比率(=純資産÷資産×100) 20%程度以上あれば問題ないと分析しています。 ③営業利益率(=営業利益÷売上高×100) 5%以上なければ収益性が低いと判断しています。 ④資産回転率(=売上高÷資産) 1倍程度を目安にし、大幅に少ない場合は資産を効率的に使用できていないと判断しています。 ⑤ROA(=営業利益÷資産×100) 営業利益を対象として分析しており、5%以上あれば収益性のある企業であると判断しています ※ROEは自己資本比率が低くなれば相対的に上昇する指標のため本分析では使用しません。また営業利益ベースで分析する理由は本業での収益性を見るためです。 ⑥売上高成長率(=来期予測売上高÷今期売上高×100)※営業利益成長率も同様の期を対象 ⑦設備投資状況(固定資産の取得金額÷減価償却費×100) 100%を割るのであれば設備の充実度が昨期よりも減ると判断しています。 ⑧売上高研究開発費率(研究開発費÷売上高×100) 5%を超える企業は将来のための投資を積極的に行っていると判断しています。 ⑨経常利益営業外損益率(営業外損益÷経常利益×100) 本業以外の収益が経常利益に占める割合を分析しています。 ⑩その他の昨期との比較項目の計算式 売上高対前年比(=今期売上高÷昨期売上高×100)、営業利益対前年比(=今期営業利益÷昨期営業利益×100)、売上高売上原価率(=売上原価÷売上高×100)、売上高販管費率(=販管費÷売上高×100) |