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カンロ

 

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http://business-analysis.hateblo.jp/entry/2013/08/17/155305
企業名 カンロ(2216)
総評 ・半期終了時点での業績では今期の目標達成は難しい
・中長期的には主力事業のキャンディの低迷によって苦戦が予想
・営業利益率の低下に対する対策が急務となっており、競争力の低下が懸念される。
・構成比は低いがグミや素材菓子の市場環境が良いことはプラス要因
将来予測 主力事業であるキャンディが苦戦する中で、事業としても市場環境としても比較的良いグミや素材菓子事業でどこまで実績減少をカバーすることが出来るかが今後の成長を左右するものと考えられる。市場環境が悪化する中で上位企業である同社は需要喚起に努める必要があるものと考えられ、新規性のある商品や付加価値商品等の積極的投入が求められるところではあるが、原料価格の高騰等によって収益性が悪化しており、競争力の低下が懸念される。
比較的良いカテゴリーも有してはいるが、最大ボリュームであるキャンディの市場環境が低迷しているため中長期的には横ばいもしくは減少基調に向かうことが予測される。
事業・業績の概況 主な事業は菓子食品事業(構成比100%、前年同期比100.1%)となっている。
構成比は公表していないが、事業の大半はキャンディ事業が大半を占めていると見られ、のど飴が苦戦したことで袋キャンディは前年同期比2.1%減、グミ群が好調なポケットキャンディが前年同期比3.8%増となっている。その他には茎わかめの自主回収により実績を落としている素材菓子や直営店事業が含まれている。
事業環境
ポジショニング
菓子食品事業の大半がキャンディ類で占められており、競合企業としては森永製菓、味覚糖、アサヒフードアンドヘルスケアが挙げられ、同社はオーソドックスなハードタイプのキャンディに加えてキャラメル等のソフトタイプなども含めたキャンディ類では二番手グループに属しているが、ハードタイプに限定すると最大シェアを有しているものと見られる。キャンディは昔からある甘味の定番ではあるが、ドライに限らずチルドやフローズンなど甘味のバリエーションが非常に広がっていることで需要が拡散していることに加えて、ダイエットや虫歯などを気にする健康志向の消費者が増えていることや少子高齢化などのマイナス要因を抱えている。市場は特に同社が大きなシェアを有し、販売額の構成比の高いと見られるハードタイプの市場が飽和状態にあり、他の甘味への需要流出が続いているため長期的に減少傾向にある。
株価 年足最高値 年足最安値 時価総額
428円 500円 405円 8,194百万円
一株配当(実) 配当利回(実) PBR PER
16円 3.74% 0.74 26.15
業績推移(単位:百万円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益
2008年12月期 21,105 1,453 1,432
2009年12月期 20,710 1,380 1,367
2010年12月期 19,900 1,202 1,185
2011年12月期 20,332 928 916
2012年12月期 20,351 621 670
2013年12月期(予) 19,500 700 750
各種指標
安定性 流動比率 155.6% 短期的な安全性に問題はない
自己資本比率 60.6%
収益性 営業利益率 3.1% 資産回転率に問題はないが、原料価格高騰等で収益性が低下しており低い水準にある
資産回転率 114.6%
ROA(営業利益ベース) 3.5%
成長性 売上高成長率(予) 95.8% 半期経過時点で売上高、営業利益共に前年を大きくわっており、今期目標のクリアは難しいと考えられる
営業利益率成長率(予) 112.7%
設備投資状況 55.6%
売上高研究開発費比率 1.7%
昨期との比較 売上高対前年比 100.1% 売上原価率と販管費率の増加によって圧迫されている営業利益の低下が懸念される
3期以上前では高水準の営業利益率6%を超えていたことからコスト圧縮が急務である
営業利益対前年比 66.9%
営業利益率(今) 3.1%
営業利益率(昨) 4.6%
売上高売上原価率(今) 55.7%
売上高売上原価率(昨) 55.0%
売上高販管比率(今) 41.3%
売上高販管比率(昨) 40.4%
経常利益営業外損益率(今) 7.3%
経常利益営業外損益率(昨) -1.3%
主な各指標の解説
1.株関連指標
分析には特に使用しませんが分析時点での指標を記載してあります。

2.各種指標
①流動比率(=流動資産÷流動負債×100)
120%以上であれば短期的には安全な企業であると判断しています。
②自己資本比率(=純資産÷資産×100)
20%程度以上あれば問題ないと分析しています。
③営業利益率(=営業利益÷売上高×100)
5%以上なければ収益性が低いと判断しています。
④資産回転率(=売上高÷資産)
1倍程度を目安にし、大幅に少ない場合は資産を効率的に使用できていないと判断しています。
⑤ROA(=営業利益÷資産×100)
営業利益を対象として分析しており、5%以上あれば収益性のある企業であると判断しています
※ROEは自己資本比率が低くなれば相対的に上昇する指標のため本分析では使用しません。また営業利益ベースで分析する理由は本業での収益性を見るためです。
⑥売上高成長率(=来期予測売上高÷今期売上高×100)※営業利益成長率も同様の期を対象
⑦設備投資状況(固定資産の取得金額÷減価償却費×100)
100%を割るのであれば設備の充実度が昨期よりも減ると判断しています。
⑧売上高研究開発費比率(研究開発費÷売上高×100)
5%を超える企業は将来のための投資を積極的に行っていると判断しています。
⑨経常利益営業外損益率(営業外損益÷経常利益×100)
本業以外の収益が経常利益に占める割合を分析しています。
⑩その他の昨期との比較項目の計算式
売上高対前年比(=今期売上高÷昨期売上高×100)、営業利益対前年比(=今期営業利益÷昨期営業利益×100)、売上高売上原価率(=売上原価÷売上高×100)、売上高販管費率(=販管費÷売上高×100)