企業分析の手法と考え方はこちらで確認してください http://business-analysis.hateblo.jp/entry/2013/08/17/155305 |
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企業名 | 一正蒲鉾(2904) | ||
総評 | ・低迷する市場の中で売上を増やし続けており、シェア拡大に成功している。 ・コスト上昇によって縮小しているが収益性は比較的高い。 ・ただし、流動比率が低く、短期的な安全性に疑問があるなど財務面で問題を抱えている。 ・売上は増加しているが、市場環境や原料事情は悪化しており長期的な成長が難しい。 |
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将来予測 | 短中期的にはリニューアルによる商品力の強化等の戦略が奏功し、シェアを高めているが、長期的には市場環境の悪化や原料事情の悪化等が及ぼすマイナスの影響が懸念される。現に食品業界の中では比較的高い水準にあった収益性が悪化しつつあり、流動比率の低さや営業外損益が常にマイナスになっている体質など財務面でのリスクが高くなっているものと考えられる。 | ||
事業・業績の概況 | 主な事業は水産練製品・惣菜事業(構成比86.9%、前年同期比103.4%)、きのこ事業(構成比13.1%、前年同期比95.9%)となっている。 水産練製品・惣菜事業は、リニューアルによる商品力の向上や「中食」需要の高まりに合わせた提案等によって実績を拡大させている。 きのこ事業は、販売量では前年を上回っているものの販売単価の減少が著しく、額ベースでは前年を割っている。 |
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事業環境 ポジショニング |
事業実績の大半を水産練製品が占めていると見られ、競合企業としては紀文食品、スギヨなどが挙げられ、大きなシェアを有しトップに君臨する紀文食品に次ぐポジションにつけているものと考えられる。市場は原料事情の悪化や肉などへの需要流出などにより、長期的に低迷している。その中で同社は売上の増加に成功しており、シェアを高める傾向にある。ただし今後は内食需要拡大の波に乗って新たな需要開拓を行わない限り、市場環境が好転することはないものと考えられる。 | ||
主な株関連指標(2013/9/13時点) | |||
株価 | 年足最高値 | 年足最安値 | 時価総額 |
580円 | 710円 | 518円 | 5,391百万円 |
一株配当(実) | 配当利回(実) | PBR | PER |
10円 | 1.72% | 0.72 | 8.94 |
業績推移(単位:百万円) | |||
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 |
2009年6月期 | 27,602 | 1,160 | 1,058 |
2010年6月期 | 28,350 | 2,020 | 1,982 |
2011年6月期 | 29,636 | 1,541 | 1,522 |
2012年6月期 | 30,769 | 1,901 | 1,883 |
2013年6月期 | 31,274 | 1,430 | 1,425 |
2014年6月期(予) | 33,200 | 1,500 | 1,500 |
各種指標 | |||
安定性 | 流動比率 | 81.8% | 流動比率が低く、短期的な安全性に疑問がある |
自己資本比率 | 35.6% | ||
収益性 | 営業利益率 | 4.6% | 各指標ともにほぼ合格水準を超えている |
資産回転率 | 148.2% | ||
ROA(営業利益ベース) | 6.8% | ||
成長性 | 売上高成長率(予) | 106.2% | 継続した売上増加を達成しており、設備投資も積極的に行っていると見られる |
営業利益率成長率(予) | 104.9% | ||
設備投資状況 | 162.6% | ||
売上高研究開発費比率 | 0.9% | ||
昨期との比較 | 売上高対前年比 | 101.6% | 増収減益となっており、コストの上昇が利益低下を招いている。また、営業外収益が常にマイナスになっており、本業以外での収益獲得には消極的と見られる |
営業利益対前年比 | 75.2% | ||
営業利益率(今) | 4.6% | ||
営業利益率(昨) | 6.2% | ||
売上高売上原価率(今) | 73.4% | ||
売上高売上原価率(昨) | 72.2% | ||
売上高販管比率(今) | 22.0% | ||
売上高販管比率(昨) | 21.6% | ||
経常利益営業外損益率(今) | -0.4% | ||
経常利益営業外損益率(昨) | -1.0% | ||
主な各指標の解説 1.株関連指標 分析には特に使用しませんが分析時点での指標を記載してあります。 2.各種指標 ①流動比率(=流動資産÷流動負債×100) 120%以上であれば短期的には安全な企業であると判断しています。 ②自己資本比率(=純資産÷資産×100) 20%程度以上あれば問題ないと分析しています。 ③営業利益率(=営業利益÷売上高×100) 5%以上なければ収益性が低いと判断しています。 ④資産回転率(=売上高÷資産) 1倍程度を目安にし、大幅に少ない場合は資産を効率的に使用できていないと判断しています。 ⑤ROA(=営業利益÷資産×100) 営業利益を対象として分析しており、5%以上あれば収益性のある企業であると判断しています ※ROEは自己資本比率が低くなれば相対的に上昇する指標のため本分析では使用しません。また営業利益ベースで分析する理由は本業での収益性を見るためです。 ⑥売上高成長率(=来期予測売上高÷今期売上高×100)※営業利益成長率も同様の期を対象 ⑦設備投資状況(固定資産の取得金額÷減価償却費×100) 100%を割るのであれば設備の充実度が昨期よりも減ると判断しています。 ⑧売上高研究開発費比率(研究開発費÷売上高×100) 5%を超える企業は将来のための投資を積極的に行っていると判断しています。 ⑨経常利益営業外損益率(営業外損益÷経常利益×100) 本業以外の収益が経常利益に占める割合を分析しています。 ⑩その他の昨期との比較項目の計算式 売上高対前年比(=今期売上高÷昨期売上高×100)、営業利益対前年比(=今期営業利益÷昨期営業利益×100)、売上高売上原価率(=売上原価÷売上高×100)、売上高販管費率(=販管費÷売上高×100) |