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企業分析の方法と基本的な考え方

 

企業分析に用いる項目は安定性、収益性、成長性、昨期との比較、事業・業績の概況、事業環境とポジショニングとしており、6項目から将来予測を立て、総合的にまとめています。

企業分析の基本的な考え方としては、安定性で財務状況は最低限の安全基準はクリアしているか判断し、次に収益性昨期との比較で現在の収益構造は健全か判断し、最後に成長性事業・業績の概況事業環境とポジショニングを総合的に分析することで対象企業は今後成長するのかどうか予測しています。

それぞれの項目に関しては下記を参照してください。

 

 

安定性

流動比率と自己資本比率で安定・安全な企業か見ているが、最低限クリアすべき基準としています。たとえ収益性や将来性に優れていたとしても安定性に欠けるのであれば過剰なリスクを取っていると見なします。

・流動比率(=流動資産÷流動負債×100

120%以上であれば短期的には安全な企業であると判断しています。

・自己資本比率(=純資産÷資産×100

20%程度以上あれば問題ないと分析しています。

 

 

収益性

営業利益率、資産回転率、ROA(営業利益ベース)を用いて収益性を分析しているが、本分析では特に営業利益、つまり本業での儲けを特に重視しています。またROEをあえて分析に含まない理由としては自己資本比率が下がればROEは向上するため、あまり企業の実態を分析するには適していないと考えているためです。また営業利益ベースのROAに加えて資産回転率を分析項目に設定している理由は、あくまでも保有している資産からどれだけの売上・利益を生み出しているかという点で収益の効率性を評価しています。

・営業利益率(=営業利益÷売上高×100

5%以上なければ収益性が低いと判断しています。

・資産回転率(=売上高÷資産)

1倍程度を目安にし、大幅に少ない場合は資産を効率的に使用できていないと判断しています。

・ROA(=営業利益÷資産×100

営業利益を対象として分析しており、5%以上あれば収益性のある企業であると判断しています

 

 

成長性

売上高成長率、営業利益成長率、設備投資状況、売上高研究開発比率を用いて成長性を分析しているが、特に売上高と営業利益は対象企業が自ら予測している数値なので達成できるかどうかも含めて分析しています。設備投資状況は、基本的には売上を生み出す民に必要な設備(固定資産)は耐用年数に応じて価値が減少します(減価償却)。そのため最低限企業規模を維持するためには固定資産の取得額が減価償却費を上回っていなければならないと考えています。売上高研究開発費は医薬品メーカー等一部の特殊な例を除くと一般的に5%程度あることが望ましいと言われており、設備投資状況と合わせて基準をクリアしていれば将来に向けた投資を行っていると判断します。

・売上高成長率(=来期予測売上高÷今期売上高×100営業利益成長率も同様の期を対象

・設備投資状況(固定資産の取得金額÷減価償却費×100

100%を割るのであれば設備の充実度が昨期よりも減ると判断しています。

・売上高研究開発費率は比率(研究開発費÷売上高×100

5%を超える企業は将来のための投資を積極的に行っていると判断しています。

 

 

昨季との比較

売上高、営業利益、売上原価、販管費、経常利益、営業外損益が昨年と比較して変化したか判断しており、主に事業や収益構造が改善もしくは悪化していないか分析しています。事業や収益構造の変化は様々なパターンがありますが、例えば、1.売上高と営業利益が同じペースで増収増益もしくは減収減益になっているのであれば、なぜ売上高が減少したのか?、2.増収減益もしくは減収増益となっているのであれば売上原価や販管費の増減など収益構造の変化の要因を分析し、その変化の要因が今後も続くのか予測する、など必要に応じて財務諸表を読み解きます。

 

 

事業・業績の概況

有価証券報告書における業績の増減要因等や事業リスクなどの項目から定性情報を要約し、分析します。また下記の事業環境とポジショニングと照らし合わせて、適切な開示もしくは自己分析が出来ているかも評価の基準としています。

 

 

事業環境とポジショニング

上記の5項目は全て有価証券報告書等の企業の開示情報を元にしていますが、この項は各種の業界紙や専門誌、調査資料などから対象企業の主要事業ごとに市場環境及びシェア状況、競合企業の状況等を推測し、それぞれの事業ごとに今後の市場動向等を分析しています。