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亀田製菓

 

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http://business-analysis.hateblo.jp/entry/2013/08/17/155305
企業名 亀田製菓(2220)
総評 ・市場環境が悪い中で、ブランド力強化に成功し寡占化に成功しつつある。
・ただし、市場はマイナス方向に推移しているためいずれ同社の酷な事業拡大も頭打ちとなることが予想される。
・それまでに海外事業を軌道に乗せることが継続成長の条件。
将来予測 菓子や菓子に類する加工食品の多様化で伝統的な米菓や豆菓子は需要が流出する傾向にあることや米価を初めとした原料コストの上昇など主力事業である国内米菓・スナック菓子事業の市場環境は決して楽観視できるものではない。ただし、市場に飽和感が漂う中、圧倒的な知名度を有する同社の商品のシェアが高まる傾向にあり、上位企業への寡占化により短中期的な成長は可能と考えられる。
次代の事業の柱として育成中の海外事業は構成比は小さいながらもM&Aなども積極的に行っており、国内事業の頭打ちまでに一定の構成比まで高めることがで出来れば継続的な成長も可能である。
事業・業績の概況 事業の大半は国内での米菓・スナック菓子の販売(構成比90.6%、前年同期比101.4%)でしめられており、その他には国内ヘルスケア(構成比3.3%、前年同期比137.8%)、海外事業(構成比1%、前年同期比145.9%)、貨物輸送・倉庫事業(構成比4%、前年同期比112.3%)などを展開している。主力の国内米菓・スナック菓子事業は主力ブランド強化を優先した結果「亀田の柿の種」や「ハッピーターン」などの売上が拡大しており、全体を牽引している。
事業環境
ポジショニング
事業実績の大半を占めている国内米菓・スナック菓子事業は大きく米菓と豆菓子に分類することができる。米菓では同社と三幸製菓の2社で市場の半数程度のシェアを有しており、数ポイント程度の差で同社がシェアトップとなっていると見られる。市場環境はスナック菓子など他の菓子類に需要が奪われる傾向にあるなど厳しい状況にあるが、その中で同社は売上を伸ばし、シェア拡大に成功している物と予想される。
豆菓子では、「亀田の柿の種」という大型ブランドを有していることからシェアも他社を大きく突き放す形でトップとなっているものと見られる。競合企業ではでん六やブルボン、三幸製菓などが挙げられる。市場環境は米菓同様にスナック菓子などの他の菓子類に奪われるなど厳しい環境にある。
主な株関連指標(2013/9/19時点)
株価 年足最高値 年足最安値 時価総額
2,992円 3,615円 1,954円 66,777百万円
一株配当(実) 配当利回(実) PBR PER
25円 0.80% 1.88 22.19
業績推移(単位:百万円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益
2009年3月期 77,541 3,128 3,314
2010年3月期 79,353 3,481 4,021
2011年3月期 79,858 3,329 3,937
2012年3月期 78,789 3,364 4,058
2013年3月期 81,323 3,496 4,294
2014年3月期(予) 89,000 4,000 5,000
各種指標
安定性 流動比率 127.4% 短期的な安定性に問題はない
自己資本比率 53.1%
収益性 営業利益率 4.3% 収益性は短中期的に向上する傾向にあり、比較的収益性は高いと評価できる
資産回転率 125.8%
ROA(営業利益ベース) 5.4%
成長性 売上高成長率(予) 109.4% 現時点で売上高は順調に成長しているが、営業利益は減少しており達成は困難と考えられる。
営業利益率成長率(予) 114.4%
設備投資状況 93.6%
売上高研究開発費比率 1.1%
昨期との比較 売上高対前年比 103.2% 順調に増収増益が達成されている。
営業利益対前年比 103.9%
営業利益率(今) 4.3%
営業利益率(昨) 4.3%
売上高売上原価率(今) 58.5%
売上高売上原価率(昨) 58.5%
売上高販管比率(今) 37.2%
売上高販管比率(昨) 37.3%
経常利益営業外損益率(今) 18.6%
経常利益営業外損益率(昨) 17.1%
主な各指標の解説
1.株関連指標
分析には特に使用しませんが分析時点での指標を記載してあります。

2.各種指標
①流動比率(=流動資産÷流動負債×100)
120%以上であれば短期的には安全な企業であると判断しています。
②自己資本比率(=純資産÷資産×100)
20%程度以上あれば問題ないと分析しています。
③営業利益率(=営業利益÷売上高×100)
5%以上なければ収益性が低いと判断しています。
④資産回転率(=売上高÷資産)
1倍程度を目安にし、大幅に少ない場合は資産を効率的に使用できていないと判断しています。
⑤ROA(=営業利益÷資産×100)
営業利益を対象として分析しており、5%以上あれば収益性のある企業であると判断しています
※ROEは自己資本比率が低くなれば相対的に上昇する指標のため本分析では使用しません。また営業利益ベースで分析する理由は本業での収益性を見るためです。
⑥売上高成長率(=来期予測売上高÷今期売上高×100)※営業利益成長率も同様の期を対象
⑦設備投資状況(固定資産の取得金額÷減価償却費×100)
100%を割るのであれば設備の充実度が昨期よりも減ると判断しています。
⑧売上高研究開発費比率(研究開発費÷売上高×100)
5%を超える企業は将来のための投資を積極的に行っていると判断しています。
⑨経常利益営業外損益率(営業外損益÷経常利益×100)
本業以外の収益が経常利益に占める割合を分析しています。
⑩その他の昨期との比較項目の計算式
売上高対前年比(=今期売上高÷昨期売上高×100)、営業利益対前年比(=今期営業利益÷昨期営業利益×100)、売上高売上原価率(=売上原価÷売上高×100)、売上高販管費率(=販管費÷売上高×100)