企業分析の手法と考え方はこちらで確認してください http://business-analysis.hateblo.jp/entry/2013/08/17/155305 |
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企業名 | カルビー(2229) | ||
総評 | ・業界トップシェアが可能にする高収益体質 ・拡大する市場の中で積極的な広告投資により、売上の継続拡大に成功 ・今後は海外事業やシリアルフーズなどの拡大に期待 |
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将来予測 | 主力のポテト系スナックで圧倒的なシェアを有し、価格面などコストに関する面では他社に対して大きな優位性を持っていることから収益面に優れており、近年は市場が拡大傾向にあるなどの後押しもあり、売上が順調に拡大していることから今後の短中期での拡大は達成できる物と考えられる。長期的にも伸び白のある海外事業やシリアルフーズの売上拡大などが期待される。 | ||
事業・業績の概況 | 事業の大半はスナック菓子を中心とした食品製造業(構成比98.7%、前年同期比110.1%)で占められている。主力のスナック菓子はポテト系スナックや「ベジップス」などが好調で実績を拡大させている。一部商品の自主回収はどのマイナス要因もあったものの、シェア獲得のために積極的に広告投下を行ったことが奏功した結果となった。 | ||
事業環境 ポジショニング |
食品製造業のうち大きな構成比を占めているのがポテト系スナック及び小麦系スナックとなっている。また、さほど構成比は高くないがシリアルフーズは好調である。 ポテト系スナックは「カルビーポテトチップス」や「じゃがりこ」など圧倒的な知名度を誇るブランドを多数有しており、シェアに関しても他社を圧倒的に突き放し過半数程度を有している物と見られる。競合にはヤマザキナビスコや湖池屋、日本ケロッグなどがいる。市場は値ごろ感のある価格設定から他の菓子から需要を奪う形が続いており、拡大傾向にある。 小麦系スナックは「ベビースターラーメン」を展開するおやつカンパニーと競合しており、2社で市場シェア95%以上を占める寡占市場である。両者共に主力商品が該当するため積極的な販促活動が見られ市場は拡大している。 |
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株価 | 年足最高値 | 年足最安値 | 時価総額 |
2,928円 | 2,977円 | 2,840円 | 386,249円 |
一株配当(実) | 配当利回(実) | PBR | PER |
18円 | 0.53% | 4.4 | 35.75 |
業績推移(単位:百万円) | |||
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 |
2011年3月期 | 155,529 | 10,717 | 10,570 |
2012年3月期 | 163,268 | 12,247 | 12,486 |
2013年3月期 | 179,411 | 15,790 | 17,127 |
2014年3月期(予) | 195,000 | 18,400 | 18,800 |
各種指標 | |||
安定性 | 流動比率 | 237.2% | 短期的な安定性に問題はない |
自己資本比率 | 74.3% | ||
収益性 | 営業利益率 | 8.8% | 高水準の収益性と言える |
資産回転率 | 143.8% | ||
ROA(営業利益ベース) | 12.7% | ||
成長性 | 売上高成長率(予) | 108.7% | 順調に売上を拡大させており、設備投資も適切に行っているが研究開発費は低い |
営業利益率成長率(予) | 116.5% | ||
設備投資状況 | 115.5% | ||
売上高研究開発費比率 | 1.3% | ||
昨期との比較 | 売上高対前年比 | 109.9% | 販管費の上昇が見られるが、売上原価を圧縮することで効率化が図られており、売上高の上昇分以上に営業利益率の上昇が著しい |
営業利益対前年比 | 128.9% | ||
営業利益率(今) | 8.8% | ||
営業利益率(昨) | 7.5% | ||
売上高売上原価率(今) | 56.2% | ||
売上高売上原価率(昨) | 57.7% | ||
売上高販管比率(今) | 35.0% | ||
売上高販管比率(昨) | 34.8% | ||
経常利益営業外損益率(今) | 7.8% | ||
経常利益営業外損益率(昨) | 10.7% | ||
主な各指標の解説 1.株関連指標 分析には特に使用しませんが分析時点での指標を記載してあります。 2.各種指標 ①流動比率(=流動資産÷流動負債×100) 120%以上であれば短期的には安全な企業であると判断しています。 ②自己資本比率(=純資産÷資産×100) 20%程度以上あれば問題ないと分析しています。 ③営業利益率(=営業利益÷売上高×100) 5%以上なければ収益性が低いと判断しています。 ④資産回転率(=売上高÷資産) 1倍程度を目安にし、大幅に少ない場合は資産を効率的に使用できていないと判断しています。 ⑤ROA(=営業利益÷資産×100) 営業利益を対象として分析しており、5%以上あれば収益性のある企業であると判断しています ※ROEは自己資本比率が低くなれば相対的に上昇する指標のため本分析では使用しません。また営業利益ベースで分析する理由は本業での収益性を見るためです。 ⑥売上高成長率(=来期予測売上高÷今期売上高×100)※営業利益成長率も同様の期を対象 ⑦設備投資状況(固定資産の取得金額÷減価償却費×100) 100%を割るのであれば設備の充実度が昨期よりも減ると判断しています。 ⑧売上高研究開発費比率(研究開発費÷売上高×100) 5%を超える企業は将来のための投資を積極的に行っていると判断しています。 ⑨経常利益営業外損益率(営業外損益÷経常利益×100) 本業以外の収益が経常利益に占める割合を分析しています。 ⑩その他の昨期との比較項目の計算式 売上高対前年比(=今期売上高÷昨期売上高×100)、営業利益対前年比(=今期営業利益÷昨期営業利益×100)、売上高売上原価率(=売上原価÷売上高×100)、売上高販管費率(=販管費÷売上高×100) |