業界の動向
90年代後半から市場縮小が長らく続いていたが、2013年は16年ぶりに上向いた。特に直近では円安を背景に増加傾向にある外国人観光客の売上で、とくに外国人観光客が集まる銀座の店舗が好調である。
業界のキーワードも外国人観光客への対応を表す「インバウンド観光」となっており、各社、対応出来る言語の増強に努めている。
大掛かりな業界再編の動きは直近では見られないが、各社ともに独自色を強めており差別化が重要視されている。とくに大手2社が顕著で、業界最大手の三越伊勢丹ホールディングスは自主企画製品の企画・買取を強化しており、在庫リスクは高まるが独自商品による差別化と収益力の向上を図っている。一方の業界2位のJ・フロントリテイリングは集客力のある専門店への賃貸を強化し、テナントビル化の路線へと舵を切りつつあり、収益力は下がるが安定した経営が可能となっている。
また、もう一つ最近の傾向としてはスーパーの吸収など業界をまたいだ再編がいくつか見られ百貨店事業だけにとどまらない戦略が取られている。
【2015年6月時点】
市場規模の出し方
百貨店業界の市場規模推移は日本百貨店協会がとりまとめています。
地区別、商品別、月別でもデータがあるので百貨店に関する動向はほぼここで間に合います。
上位企業の動向
順位 | 企業名 | 備考 |
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1位 | 三越伊勢丹HD | 売上:1兆3215億円 三越や伊勢丹を擁する最大手。小型店や自主企画商品への取り組みを強化 |
2位 | J・フロントリテイリング | 売上:1兆1463 大丸や松坂屋を擁する。テナント化やパルコの買収などを行う |
3位 | 高島屋 | 売上:9041億円 大型店中心の展開。シンガポールへの出店など海外展開も強化 |
その他の上位企業
百貨店大手ではその他に阪急百貨店を有する英知・ツー・オーリテイリングや西武、そごうなど地方百貨店としては松屋、さいか屋、井筒屋、大和、天満屋など
ファッションビル系では丸井グループ、パルコ、ルミネ
鉄道系では、JR系列、近鉄百貨店、東武百貨店、東急百貨店、小田急百貨店、京王百貨店、名鉄百貨店、京阪百貨店など