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佐藤食品工業

 

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http://business-analysis.hateblo.jp/entry/2013/08/17/155305
企業名 佐藤食品工業(2923)
総評 一時的に備蓄需要の高まりによって増収傾向になっているが、収益性や新たな事業開発のための投資となる研究開発費が非常に低く、市場環境も悪化する傾向にあるため今後の苦戦が予想される。
将来予測 現在は備蓄需要によって一定の実績拡大傾向が見られるが、備蓄需要は一巡しつつあるため近い将来、実績が横ばい又は減少へと転じることが予想される。
また原料価格の高騰や低価格競争の進行など収益を圧迫する要因が今後も強まることが予想されるため、収益面でも苦戦するものと考えられる。
包装餅、包装米飯共に圧倒的知名度に加えてトップシェアである事業規模など市場における強みは非常に強固なものの、機能面やバリエーションなど商品ラインナップに限界のあるカテゴリーであるため新たな展開へと広げることが難しいと予測されるため短中長期的に渡って苦戦が予想される。
事業・業績の概況 売上のほぼ大半が包装餅事業(構成比48.7%)と包装米飯事業(構成比51.2%)で占められている。
包装餅事業は東日本大震災以降高まっていた備蓄需要が減少したことに加えて猛暑の影響で需要が減退したため当期売上は減少した。一方で包装米飯事業に関しては備蓄需要の高まりが継続しており好調に推移しているため設備投資によってライン増設がなされている。
事業環境
ポジショニング
包装餅は、越後製菓やきむら食品などが競合企業として挙げられる中、シェアトップに位置していると見られる。東日本大震災直後は備蓄需要によって市場は盛り上がりを見せたが、最近は反動で市場はマイナス傾向へと転じている。またPBが勢力を拡大していることに加えて価格競争が熾烈になっているため、単価が減少する傾向にあり今後も厳しい市場環境が予想される。
包装米飯は、テーブルマークや東洋水産が競合として挙げられる中、シェアトップに位置していると見られる。東日本大震災以降高まった備蓄需要が継続しており、市場は拡大傾向にある。ただし、容量や価格のバリエーションが限られ、また価格競争が激しくなる傾向が見られ、2番手~3番手メーカーの追い上げが進む等、今後は各社体力勝負の様相を呈するものと見られる。
主な株関連指標(2013/8/10時点)
株価 年足最高値 年足最安値 時価総額
2,040円 2,300円 1,797円 10,354百万円
一株配当(実) 配当利回(実) PBR PER
10円 0.59% 1.01 16.97
業績推移(単位:百万円)※単体
決算期 売上高 営業利益 経常利益
2009年4月期 25,827 966 1,198
2010年4月期 25,535 879 900
2011年4月期 27,055 1,094 1,106
2012年4月期 26,536 669 1,021
2013年4月期 26,744 387 450
2014年4月期(予) 28,200 1,000 610
各種指標
安定性 流動比率 114.2% 自己資本比率は十分な水準だが流動比率がやや低い
自己資本比率 40.4%
収益性 営業利益率 1.4% 資産回転率は問題ないが、営業利益率及びROAは低い水準にある
資産回転率 111.8%
ROA(営業利益ベース) 1.6%
成長性 売上高成長率(予) 105.4% 好調な包装米飯事業への積極的な投資が見られるが、研究開発費は低い水準にある
営業利益率成長率(予) 258.4%
設備投資状況 217.7%
売上高研究開発費比率 0.6%
昨期との比較 売上高対前年比 100.8% 包装餅事業の売上が減少する一方で包装米飯事業が拡大したため売上はほぼ横ばいだが売上原価率の上昇によって利益が大きく減少している。また営業外収益の減少も見られる。
営業利益対前年比 57.8%
営業利益率(今) 1.4%
営業利益率(昨) 2.5%
売上高売上原価率(今) 72.3%
売上高売上原価率(昨) 70.3%
売上高販管比率(今) 32.4%
売上高販管比率(昨) 32.1%
経常利益営業外損益率(今) 14.0%
経常利益営業外損益率(昨) 34.5%
主な各指標の解説
1.株関連指標
分析には特に使用しませんが分析時点での指標を記載してあります。

2.各種指標
①流動比率(=流動資産÷流動負債×100)
120%以上であれば短期的には安全な企業であると判断しています。
②自己資本比率(=純資産÷資産×100)
20%程度以上あれば問題ないと分析しています。
③営業利益率(=営業利益÷売上高×100)
5%以上なければ収益性が低いと判断しています。
④資産回転率(=売上高÷資産)
1倍程度を目安にし、大幅に少ない場合は資産を効率的に使用できていないと判断しています。
⑤ROA(=営業利益÷資産×100)
営業利益を対象として分析しており、5%以上あれば収益性のある企業であると判断しています
※ROEは自己資本比率が低くなれば相対的に上昇する指標のため本分析では使用しません。また営業利益ベースで分析する理由は本業での収益性を見るためです。
⑥売上高成長率(=来期予測売上高÷今期売上高×100)※営業利益成長率も同様の期を対象
⑦設備投資状況(固定資産の取得金額÷減価償却費×100)
100%を割るのであれば設備の充実度が昨期よりも減ると判断しています。
⑧売上高研究開発費率(研究開発費÷売上高×100)
5%を超える企業は将来のための投資を積極的に行っていると判断しています。
⑨経常利益営業外損益率(営業外損益÷経常利益×100)
本業以外の収益が経常利益に占める割合を分析しています。
⑩その他の昨期との比較項目の計算式
売上高対前年比(=今期売上高÷昨期売上高×100)、営業利益対前年比(=今期営業利益÷昨期営業利益×100)、売上高売上原価率(=売上原価÷売上高×100)、売上高販管費率(=販管費÷売上高×100)