この業界の動向は?
自動車(国内)業界は、長引く不況による車離れや人口減少が影響し、国内販売台数は2002年度-2012年度の10年間で88.5%に縮小している通り市場はダウントレンドにある。ただし、補助金や減免税などの政府の支援策が奏功し2011年度及び2012年度は拡大傾向に転じている。しかし、長期的な大勢に変化は見られないものと考えられ、参入メーカーは国内販売以上に海外販売をより強化する必要がある。
トレンドは軽自動車とハイブリッド車に需要が集中する傾向がより強まっており、特に軽自動車に強みをもつスズキとダイハツだけが10年スパンで見ると拡大に成功しており、一方で軽自動車やハイブリッドに弱い日産日産やマツダ、富士重工業など特徴的な車種に特化した企業はトレンドに乗り切れていないことから販売台数の減少が顕著である。業界の王者トヨタ自動車は低迷が続いていたが2012年度は復調している。
主要企業の状況は?
単位:百万円
企業名 | 売上高 | 営業利益 | 備考 | ||
トヨタ自動車 | 20,914,150 | 1,320,888 | 国内1位。ダイハツの51%、富士重工業の16%の株式を有する。 | ||
ホンダ | 9,877,947 | 544,810 | 国内2位。 | ||
日産自動車 | 9,629,574 | 523,544 | 国内5位。ルノーと提携関係にある。 | ||
スズキ | 2,578,317 | 144,564 | 国内3位。軽自動車に強い。 | ||
マツダ | 2,205,270 | 53,936 | 国内6位。 | ||
富士重工業 | 1,912,968 | 120,411 | 国内7位。 | ||
三菱自動車工業 | 1,815,113 | 67,382 | 国内8位。 | ||
ダイハツ工業 | 1,764,976 | 133,040 | 国内4位。軽自動車は首位。 | ||
日野自動車 | 1,541,357 | 65,118 | |||
いすゞ自動車 | 1,400,074 | 97,373 |
その他にはジェイ・バスやUDトラックス、三菱ふそうトラック・バスがある。
※表中の数字は連結のものを使用している。
この業界は儲かっている?
営業利益率ランキング
企業名 | 営業利益率 |
ダイハツ工業 | 7.5% |
いすゞ自動車 | 7.0% |
トヨタ自動車 | 6.3% |
富士重工業 | 6.3% |
上位企業の平均 | 5.7% |
スズキ | 5.6% |
ホンダ | 5.5% |
日産自動車 | 5.4% |
日野自動車 | 4.2% |
三菱自動車工業 | 3.7% |
マツダ | 2.4% |
業界平均は5.7%となっており、一般的な基準から見ると自動車(国内)は儲かっている業界である。ただし、三菱自動車工業やマツダは低い水準にある。
従業員一人当たり売上高ランキング
企業名 | 一人当たり売上高 |
富士重工業 | 69.54 |
トヨタ自動車 | 62.71 |
三菱自動車工業 | 60.86 |
日産自動車 | 59.99 |
マツダ | 58.43 |
上位企業の平均 | 57.83 |
いすゞ自動車 | 56.78 |
日野自動車 | 55.63 |
ホンダ | 51.90 |
スズキ | 46.08 |
ダイハツ工業 | 44.28 |
従業員一人当たり営業利益率ランキング
企業名 | 一人当たり営業利益 |
富士重工業 | 4.38 |
トヨタ自動車 | 3.96 |
いすゞ自動車 | 3.95 |
ダイハツ工業 | 3.34 |
上位企業の平均 | 3.31 |
日産自動車 | 3.26 |
ホンダ | 2.86 |
スズキ | 2.58 |
日野自動車 | 2.35 |
三菱自動車工業 | 2.26 |
マツダ | 1.43 |
トヨタ自動車と富士重工業が従業員一人当たりの売上高、営業利益率ともに高い水準にある。特徴的なのは、ダイハツ工業は業界トップの営業利益率でカバーしているものの従業員一人当たりの売上高は業界最低水準となっている。一方で三菱自動車工業は従業員一人当たりの売上高は高い物の営業利益率が低いことから効率的な販売が出来ていない可能性がある。
この業界で働いている人たちは?
企業名 | 平均年齢(単位:才) | 勤続年数(単位:年) | 平均給与(単位:円) |
トヨタ自動車 | 38.6 | 15.5 | 7,511,342 |
ホンダ | 43.6 | 22.5 | 7,472,000 |
日産自動車 | 42.6 | 20.5 | 6,996,504 |
スズキ | 37.8 | 15.6 | 5,816,329 |
マツダ | 39.7 | 15.8 | 5,728,000 |
富士重工業 | 38.8 | 16.9 | 6,196,414 |
三菱自動車工業 | 39.6 | 15.8 | 6,281,000 |
ダイハツ工業 | 36.4 | 15.5 | 6,320,161 |
日野自動車 | 36.2 | 15.0 | 6,055,000 |
いすゞ自動車 | 40.6 | 18.3 | 7,011,000 |
上位企業の平均 | 39.4 | 17.1 | 6,538,775 |
給与を多くもらっている企業は?
平均給与/平均年齢ランキング
企業名 | 平均給与/平均年齢(単位:円) |
トヨタ自動車 | 194,594 |
ダイハツ工業 | 173,631 |
いすゞ自動車 | 172,685 |
ホンダ | 171,376 |
日野自動車 | 167,265 |
上位企業の平均 | 166,001 |
日産自動車 | 164,237 |
富士重工業 | 159,701 |
三菱自動車工業 | 158,611 |
スズキ | 153,871 |
マツダ | 144,282 |
※各社を比較するために平均給与を平均年齢で除した数値を便宜的に使用しており、実際の給与体系とは傾向が異なる可能性があります。
業界首位のトヨタ自動車が頭一つ抜けた給与水準となっており、次点のダイハツ工業といすゞ自動車は高い利益率を確保している企業である。一方でマツダや三菱自動車など営業利益率が下位の企業は給与水準も業界では低く、自動車(国内)業界は本業の儲けを表す営業利益率に給与水準が連動する傾向にある。
参考サイト
日本自動車工業会 データベース
http://jamaserv.jama.or.jp/newdb/